鈍感になろう!!
- 作者: 渡辺淳一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/02/05
- メディア: 新書
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以前図書館で借りて読みました。
「失楽園」や「愛の流刑地」を書かれた渡辺淳一著のエッセイです。
読んでとっても気持ちが楽になりました。
鈍感という言葉はどちらかといえば悪い意味で使われることが多いかと思います。私自身子供の頃からあまり機転の利くタイプではなく幾度となく「鈍感」「鈍い」「何も考えていない」と言われてきました。もちろんいい意味ではありません。そんな自分に劣等感を感じてきました。
30代後半になってようやくこのままの私でいいんだ、と思えるようになり、そのころこの本に出会ったのです。
今までマイナスイメージでしかなかった「鈍感」をプラスに変えてくれました。
本の中で一番面白かったのは、作者渡辺淳一が友人数名と温泉地に行ったときのこと。
夕食のお刺身に皆があたり、嘔吐や下痢で苦しむ中、一人だけケロっとしていた人がいたそうです。
医師でもあった渡辺氏が考えるに、あたらなかった友人は貧しい育ちで衛生的にあまりよろしくない環境で育ったのではないかと書かれています。そういった環境が彼を「鈍感」な体にしたのでは、と。
これは私の育児方針と全く同じ考えではないか!!と驚嘆しました。(人はいい加減とも言う)
新型インフルエンザが一時話題になりました。(最近ではニュースにもなりませんね)ウイルスも生き物。生き残るためにどんどんと進化していくわけです。
ウイルスをただ遠ざけるだけでは一時的な解決にしかなりません。新しいウイルスが発生するたびに逃げ回っていないといけなくなります。それよりもウイルスを跳ね返すくらいの「鈍感」な体にする方が生きていくためにはいい、ということです。
人間関係にも「鈍感」がいいそうです。この鈍感力の最たるものは母親の子供に対する愛、とこの本では書かれています。
確かに子供のすることは何でも許せますよね。(たまには許せないこともありますが)
男の女の愛も「鈍感力」のなせるもの。多少の欠点も許せてしまうのですから。
ただこれが長続きしないのが難点です。
子供の失敗は許せてもダンナの失敗は許せない敏感なMOONです。